うつ病

うつ病の症状

  • やる気がでない
  • 気分が沈み込む
  • 睡眠障害
  • 不安緊張
  • 頭が働かない
  • 楽しいことがない
  • 興味がわかない など

うつ病について

脳内では、様々な物質が複雑に連携して機能しています。 それらの中で、主にセロトニン、ノルアドレナリンという物質が上手く働かないと、うつ病の症状が現れます。

やる気がでない。楽しくない。イライラしやすい。眠れないなどです。

どれも、自分にとって快適とはいえないような症状です。
この病気の難しいところは、「自分が病気である」と自覚するのが遅れてしまうことです。

39℃の熱が出たら、細菌感染など、自分が何らかの病気であると自覚できます。

階段で転んで足首をひねったら、痛みですぐに気が付きます。

うつ病の患者さんは、自分が病気であるという自覚を持つのは容易ではありません。

やる気が出ないのは自分が怠けているからだ。
楽しくないのは飽きてきただけだ。
イライラするのは、自分が未熟だから。

症状として現れていることに気が付かず、「自分のせい」と結論付けて、さらに頑張ろうとしてしまいます。

脳内では様々な物質が…と述べましたが、セロトニンのみならず、ノルアドレナリンなが関与しています。

頑張ろうとしても、ノルアドレナリンが不足した状態では頑張りが効きません。



「楽しくない、やる気がでない。それは自分のせいだから、もっと頑張らなきゃ…」


頑張るための物質が不足しているため、頑張れません。

すると、「頑張れないのも怠けているせい。自分はダメな人間だ…」

まわりのみんなに迷惑をかけている。自分は必要のない人間だ。もう消えてしまいたい。

自らの命を絶つことを考えることもあります。

ここまで病状が進行してしまってから、ご家族や周囲の方たちに進められて、精神科を受診する患者さんを沢山診療してきました。

うつ病の治療

休息、診察、お薬。この3つが柱です。

脳がへとへとに疲れている状態なので、休息は非常に重要です。
症状に応じて、時短勤務、自宅療養、入院治療なども考慮します。

診察では、つらい状態であることを共有し、怠けているのではないことなどを、患者さんの考え方に沿って説明していきます。

お薬は、多種多様な作用があります。セロトニンやノルアドレナリンの働きを助けるイメージです。症状のみならず、患者さんの考え方などから、適した薬剤を選択します。効果と副作用を見極めながら調節していきます。薬を使わないという選択をすることもあります。

治療により、少しずつ症状が改善してくると、ちょっとした「気づき」のような感覚が現れる場合が多いです。

「寝れるようになった」「食べ物がおいしくなった」などのように、自分で気づくこと。

診察時の表情や、お話の内容から、前に比べて不安感が減っているようですとお伝えすると「あ!そうかもしれません」と、診察によって気づくことなどです。

薬物による治療では、その時の症状に応じて、用量を変えることがあります。 改善しているのに、お薬が増えるということもありえます。これは用量によってもたらされる作用が少し変化するためです。

治療により症状が改善した後も、3か月から6か月は、治療を継続します。 その間に社会復帰への準備などを一緒にやっていきます。

過去にうつ病になったことがある患者様の場合は、再発を防ぐために、症状が改善した後にも薬物を継続する場合があります。

患者様一人一人に、最も適した治療を行うことを心がけています。